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逝った人たち(1)

 12年前の夏、父方の叔父が亡くなった。
私の父は男4人女一人の次男だった。
長男の伯父は、満州で病死したそうだ。
4番目の叔父は、学徒動員で、、戦地へ赴く途中、輸送船が
撃沈し、戦死したとか。
 この二人の叔父を私は知らない。彼らも私を知らない。
父のすぐしたの叔父は、復員してから、長く入院してから
社会復帰した。独身で、優しくて、上品な顔立ちをしていた。
 結婚して、叔母と仲良く暮らしていたのだが、5年後叔母に
先立たれた。その後はずっと独身でとおした。
 その叔父が、12年前に亡くなった。
末っ子の叔母が言った。「S家にとって、35年ぶりの仏さんだ。」
 
 35年前の「仏さん」は、祖父のことだ。
祖父が無くなってから、テレビが普及し、オリンピックがあり、日本が
戦後経済経済高成長の道を、ひた走り、家庭の平均年齢は若かった。
 子供たちは、育ち盛り、親たちも若かった。
学校へ通い、受験をし、卒業し職につき、配偶者を見つけ、結婚し、
子供ができて、と言うすべてがすっぽり入るような35年だった。
 
 叔母が発した、この言葉で、又別の時代が始まった。
叔父が亡くなった2年後に、私の母が、その半年後に父が
亡くなった。近くに住んでいた、幼馴染の、小父さんや小母さんも
相次いで、亡くなった。

 私の前に、沢山いた人たちが、少なくなって、今度の35年が始まる
前に消えてくのか!
  
 今日叔父(叔母の配偶者)の告別式だった。
 
 














 
 




 
by popmamy | 2006-09-26 00:45


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