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父のノート

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「凍」と言う本を読んで、実家から持ってきた父のノートを思い出した。
なぜか、そのノートはわたしが持っている。

 出だしは昭和10年、6月1日~2日。快晴
 ー 丹澤山塊縦走ー
一行、父と友人たち4人計5人
行程
6月1日・・・新宿発 午後7.57ーー解読難解な地名に到着して(そこまでは車ー
青山派出所前9時50分ー横浜浄水所前10時15分ー青の原郵便取り扱い所
(長野)
6月2日 荒井橋に引き返す午前0時50分 途中略ーー
焼き山三角点出発 5時30分
 出発6時27分
キビガラ三角点通過 7時15分通過 以下ー姫沢原ー蛭が岳見晴台ー鬼が岩通過
ー不動が峰通過 丹澤山着ー0時30分
丹澤山発ー2.00 渋沢駅着6時ー新宿着
 費用・・・単価が分からないが詳細が書いてある
天候 午前中・・晴れ、午後より曇りとなり、澁澤近く降雨あり。霧一度もかからず。
                             父の署名
この日から始まって、昭和16年2月まで、第2次世界大戦が始まる直前の
不安定な時代に、山歩き、山登り、スキーなど、細かく記録しているのだ。
まだ実家にいた頃、このノートを見つけ、保管し、時々読んだりしたものだった。
 父が亡くなって、家の整理をしていたとき再び見つけて、自分の家に
持ち帰ったのだ。
 そして、「凍」を読み終わった後で、丁寧に父の形見であるノートを、
読み始めた。
 人のことは言えないが、父の字は読解困難、はっきり言えば下手なのだ。
その遺伝子は、わたしに濃く伝わっている。
 でも、この貴重な記録をずっと本棚の片隅にはさんでおいて良かった。
これから、少しづつ書き写していこうと思う。
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手書きの地図
by popmamy | 2006-03-16 23:06 | 思い出


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