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ボブ ディラン 自叙伝

CHRONICELS Volume one
by Bob Dylan
 別の本を探していた本屋で、ふと眼に入った。第1巻なのだから、
さらに第二、第Ⅲを書く予定なのだろう。

 まだ半分しか読んでいない。
目次は 「第一章 初めの一歩」
      「第二章 失われた土地」
      「第三章 新しい夜明け」
      「第四章 オー・マーシー・」
      「第五章 氷の川」
 今「オー・マーシー」の途中だ。

 第一章は、故郷の田舎町を出て、寒いニューヨークにたどり着き、
自分の夢を実現すべく、様々な人に出会い、曲を作り、詩を書き
チャンスを待つ、若い、才能ある、感性豊かな、青年の、懐かしい物語
だ。ウディーガスリーに心酔し、入院している病院へ見舞いに行く
行為を自分に課していた。
 「ボブ・ディランの夢」と言う歌がある。生ギターで、ゆっくりと
歌詞をかみ締めるように歌う。既にニューヨークにきているが、生まれ故郷
での、数々の思い出を、I wish, I wish invain♪
と繰り返しながら歌う。
 明るいカリフォルニアは遠すぎて、寒いニューヨークで
肩を震わせながら、明日を信じて努力していた、彼の物語を、どんなに
共感したことだろう。
  
 しかし、ディランとて、一生ニューヨークの片隅で、肩震わせて、
体制をはき捨てるように
歌い、プロテストし続けるわけには行かない。
第二章、三章と読み進めるうちに、複雑な気分になる。

 「いまのわたしがどうであっても、わたしは1960年代の吟遊詩人、フォークロックの
異物、過ぎ去った日々の言葉の紡ぎ手、どこにあるのかを誰も知らない州の
架空のリーダーでしかない。(179ページ)」
と書いてある。また、自分のなかでひとりの男が行方不明になっていて、
その男を見つけ出す必要があった。

 此処まで読み進んだ。
しかし、心にしみこむ歌を作り、歌った以上、自分の歌におしつぶされて
いられないだろう。ボブ・ディランも、既に60代半ばになった。
 1978年3月、武道館へ、初日と追加公演を聴きに行った、わたし。
若いロックのアンちゃんみたいな、わっ白人と思った、ボブ・ディラン。
 あと二章の中に何があるだろう。

 私が好きなディランのうたの一つ・
Don't think twice, it's all right.
このタイトルを「くよくよするな」と約したのは誰だろう?
 今年の初めに、東京で上映していた映画、「ボブ・ディラン、ノー
ディレくション・ホーム」を見ておけば良かった。
by popmamy | 2006-05-19 00:43 |


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